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プラスチック汚染

2025.08.06

北大西洋全体で推定2700万トンのナノプラスチックが浮遊しているとの記事が掲載された(Nature誌)。

海に流れ込んだ膨大なプラスチックは波によるストレスや太陽からの紫外線によって生成される直径5mm以下のマイクロプラスチックやその生成過程で発生するとされるナノプラスチック粒子(1μm=1/1,000mm)に分解される。
ナノプラスチックは細胞膜を通過可能なサイズ(1μm未満)であり、魚類や無脊椎動物の脳・肝臓・腎臓・生殖器官に蓄積される可能性があるとされる。食物連鎖を通じて生物濃縮が起こり、最終的に人間の体内にも侵入するリスクがあるそうだ。
一方、国際間での取り組みはというと8月5日、プラスチックごみの環境汚染を防ぐ国際条約の制定を目指す政府間交渉が始まる。昨年末に開かれた同政府間会合で欧州連合(EU)などはプラスチック生産量の削減を求め、産油国側が「発展を妨げる」として強く反対し何ら合意を得ることなく閉幕したと記憶している。
では解決策としての生分解性プラスチックはどうかというと、あるものは特定の条件下でしか分解されず海洋環境では分解が進まないことも指摘されており、また分解後にナノサイズの粒子が残る可能性もあり、完全な解決策とは言えないらしい。
超微細粒子であるがゆえに大気中にもペットボトル飲料水にも含有しているとの報告もあるが、そもそもナノプラスチックが人体に与える影響はまだ研究途上だし、科学的根拠が不十分なまま規制を進めるのもどうかという話もある。(山本泰雄)

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